教育探究コーディネーター
1988年新潟県生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、島根県津和野町へ移住し、津和野高校の魅力化に携わる。
現在は、総務省地域力創造アドバイザー、島根県立津和野高等学校特任コーディネーター、新潟県津南町教育委員会総合・探究活動アドバイザーなどを務め、全国各地で地域と教育、探究学習に関わる活動を行っています。
チェックイン
講演1「地域における探究の意義と可能性」
質問づくりと質疑応答
講演2「探究におけるナビゲートという考え方と見立て」
ワーク「見立てをしてみよう」
参加者が講演を聴き、問いを立て、考えを深め、自分たちの地域に引き寄せながら学べる構成でした。
前半では、「地域における探究の意義と可能性」をテーマに、子どもたちのプロジェクトが地域や学校の中でどのように育っていくのか、また大人はどのように関わり、支えることができるのかについて、多くの示唆をいただきました。
参加者にとっては、自分たちの地域や現場に引き寄せながら、探究や伴走について考える機会となりました。
また、「質問づくりと質疑応答」の時間には、その場で感じた疑問や関心を持ち寄りながら、学びを深めていきました。問いを持つこと自体が、探究を支えるうえで大切な入り口であることを実感する時間にもなりました。
後半では、「探究におけるナビゲートという考え方と見立て」をふまえながら、参加者自身が見立てを行ってみるワークに取り組みました。
それぞれの現場で感じている課題や可能性を持ち寄りながら、「どのように子どもたちの挑戦を支えることができるか」「何から始めることができるか」を、立場をこえて考える時間となりました。
付箋や模造紙を使ったワークの時間も設けられ、参加者はそれぞれの現場で感じていることや、地域の強み・課題・可能性を言葉にしながら対話を重ねました。
考えを可視化し、他の参加者の視点に触れることで、自分一人では気づかなかった見方や問いが生まれ、オホーツクでの探究や伴走を考えるうえでのヒントが広がっていきました。
今回の「学びのナビゲート」では、美幌町をはじめ、中標津町、北見市、湧別町、網走市など、道東各地から、教職員や地域で活動する方、学生など、多様な立場の参加者が集まりました。
さらに、北海道外からも、この地域の学びに関心を寄せる、対話や学びの場づくりに関わるワークショップデザイナーや大学生が参加。東京農業大学や芸術文化観光専門職大学の学生も加わり、地域や世代、立場を越えてグループワークを行いました。
子どもや若者の学びについて、大人だけが考えるのではなく、若い世代も一緒に問い、語り、学び合う時間となりました。地域の中だけでは気づきにくい価値や可能性も、外からの視点が加わることで見えてくることがあります。
地域の内と外、そして世代を越えて学び合うことも、探究の土壌を豊かにする大切な要素だと、改めて感じました。
対話やワークを通して改めて見えてきたのは、オホーツクには地域ならではの資源や人のつながりがあり、それらを学びに生かしていける可能性が大きいということです。
また、探究や伴走を進めていくうえでは、子どもたちの思いや状況をていねいに見立てながら関わることの大切さや、学校だけでなく地域のさまざまな立場の人が関わることの意義も、あらためて共有されました。
参加者それぞれが、自分の現場や地域でできることを考え、次の一歩を思い描く時間になったように感じています。
講義とワークショップを行き来しながら、探究について一緒に考えました
「Can / Will / Need」の視点をもとに地域での探究の可能性を考えました
「オホーツク地域で探究について考えてる大人たちがこんなに居ることを知れたので、その繋がりの中で探究のコミュニティが出来ればいいなと思った。」
「大人も一緒に探究をする。」
「大学生の参加者がいて、必要な存在と感じた。」
「高校生のアクションが地域を変える力になること。」
また、研修で持ち帰ったこととして、
「見たてと伴走の3つの視点、探究学習を構築するための3つの視点を知れたことがとても有効と感じました。」
「オホーツクには伴走できる大人も多くいると感じました。」
「グループ内の方々と、課題が似ている、又は半歩進んでいる事例を聞けた。」
といった声もありました。
同じ地域で悩んでいる人や、少し先を歩いている人と出会い、互いの経験から学ぶこと。そこにも、地域に学びのコミュニティをつくる意味があると感じています。
事後アンケートでは、研修前と研修後の自身の状態についても振り返っていただきました。
5段階の自己評価(平均)では、
「学習者を見立てる視点」
3.33 → 4.20
「関わり方を使い分ける視点」
3.13 → 4.00
と、いずれも研修後に変化が見られました。数字だけで研修の成果を測ることはできませんが、参加者一人ひとりが、子どもや若者との関わり方や、探究を支える視点について考え直す機会になったことがうかがえます。
事後アンケートでは、参加者が現在、探究に関わるなかで感じている困りごとについても伺いました。
「やらされ探究になってしまう」
「学習者の意欲に波がある」
といった子どもとの関わり方に関する悩みのほか、
「地域には資源があるのに、学びにつなげきれていない」
「地域連携が続きにくい」
といった声も寄せられました。
また、小規模な地域ならではの人やテーマの広がり、移動距離や時間など、道東という地域だからこその課題も見えてきました。こうした一つひとつの課題を、誰か一人が抱えるのではなく、地域や立場を越えて持ち寄り、一緒に考えられる関係をつくっていくこと。それも、探究の土壌を耕していくために大切なことだと感じています。
研修終了後には懇親会も行い、講義やワークの中では話しきれなかったことや、それぞれの地域・現場での実践について、さらに言葉を交わしました。研修の時間を越えて、立場や地域を越えたつながりが生まれる時間となりました。
今回の「学びのナビゲート in オホーツク」で目指したのは、一度きりの研修を開催することではありません。学校、地域団体、企業、行政など、それぞれ違う場所で子どもや若者に関わる大人たちが出会い、経験や視点を持ち寄り、大人自身が学び合える関係を地域につくっていくことです。
大人の学びやつながりが豊かになることで、子どもたちが出会える人が増え、経験できることが増え、挑戦できる機会も広がっていく。そして、子どもたちの「やってみたい」や問いを地域全体で支えられるようになることは、子どもたちのためだけではなく、地域そのものが未来に向かって学び、成長していくことにもつながっていくと考えています。
道東で、子どもも大人も学び続けられる探究の土壌を耕そう。「学びのナビゲート in オホーツク」の開催は、そのための小さな第一歩となりました。
日時 2026年3月28日(土)16:00〜18:00
会場 美幌町民会館 2階 会議室7・8
講師 山本竜也さん(教育探究コーディネーター)
対象 教育関係者・地域団体・企業など
参加費 無料
定員 30名
共催 合同会社ALOP/NPO法人アイス
協力 一般社団法人ウィルドア/一般財団法人 三菱みらい育成財団
後援 美幌町教育委員会